子どもの高校進学先が私立になりそうだと分かってくると、学費の負担がどれくらいになるのか気になってくるものです。授業料の支援制度があるとは聞くものの、名前がいくつもあって何が対象になるのか分かりにくいと感じることがあります。
地域情報メディア「台東クリップ」のエリア担当ライター、のりです。わたしも台東区に住む一人娘の父として、進学にまつわるお金の話は他人事ではありません。
今回は国と東京都の制度をどう分けて見るか、申請は入学前と後どちらなのか、授業料以外の費用をどう捉えるかを、順番に整理していきます。
私立高校でかかる費用の全体像
私立高校の費用というと授業料をまず思い浮かべますが、実際にはそれだけではありません。入学金、施設設備費、教材費、制服代など、いくつもの項目があります。
文部科学省の調査では、私立高校の入学金は平均で16万円台、施設設備費も15万円台とされています。制服一式や教科書代を含めると、入学時にまとまった支出になることが多くなります。
- 授業料
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学費支援制度の対象になる費用です。
入学金や施設設備費、制服代、教材費といった項目は、国と東京都の学費支援制度の対象には含まれません。ここは誤解が起きやすいところなので、先に押さえておきたいです。
申請は入学前か入学後かという疑問
よく迷うのが、この支援は入学前に申し込むものなのか、入学してから手続きするものなのかという点です。答えは、いずれも入学後の手続きになります。
国の就学支援金は東京都の場合、例年6月ごろに申請期間が設けられています。入学前の出願段階では申請できず、入学後に学校から案内が届く流れです。都の授業料軽減助成金も、こちらは7月ごろの申請が一般的になっています。
つまり入学時には、いったん授業料を全額納めたうえで申請し、9月ごろを目安に差額が戻ってくるのが一般的な流れです。
全額納付してから還付される流れ
正直に言うと、お金の流れが分かりにくいのがこの制度です。国や都から家庭へ直接振り込まれるわけではありません。
就学支援金は、生徒本人に代わって学校が受け取り、授業料の支払いに充てる仕組みになっています。いわゆる代理受領という方法です。
多くの学校では、入学時にいったん授業料を含めた金額を全額納めてもらい、支援金が学校に入ったあとで差額を還付する形を取っています。還付の時期や方法は学校ごとに異なるので、必ず入学手続きの案内で確認しておきたいところです。
国の就学支援制度を確認するときの見方
国の制度は「高等学校等就学支援金」という名前で、私立高校に通う生徒の授業料に充てるためのお金です。2026年度からは所得制限がなくなり、世帯の収入にかかわらず対象になる仕組みへ変わりました。
支給額には上限があり、私立高校の全日制であれば年額45万7200円が目安です。国籍や在留資格によって対象範囲が分かれる部分もあるため、家庭ごとに条件が違ってくることがあります。
申請は在学校を通じて行う仕組みで、入学時だけでなく在校生も毎年手続きが必要です。学校からのお知らせを見逃さないようにしたいところです。
東京都の授業料軽減助成金の見方
東京都には「私立高等学校等授業料軽減助成金」という独自の制度があります。国の就学支援金と合わせて、都内私立高校の平均授業料相当まで支援する仕組みです。
東京都の発表によると、全日制と定時制課程では年額501,000円を上限として、国の457,200円に都の43,800円を上乗せする形になっています。この助成金は都内在住であることが条件です。
都外に住んでいる場合は、国の就学支援金のみが対象になります。台東区に住んでいる家庭であれば、この都内居住の条件を満たしている形になります。
居住地と在学校で変わる対象条件
先に確認しておきたいのは、支援の内容が生徒と保護者の居住地、そして通う学校の所在地によって変わってくる点です。
台東区内に住んでいても、通学先が都外の私立高校であれば都の助成金は対象外です。逆に都外在住で都内の私立高校に通う場合も、都の助成金は使えない仕組みになっています。
国籍や在留資格によっても支援の名称や金額が分かれる場合があります。家庭ごとに状況が違うので、ここは自己判断で決めつけず、学校か窓口へ確認するのが安心です。
申請時期と学校案内を見る順番
2026年度の実施状況を見ると、国の就学支援金は6月、東京都の授業料軽減助成金は7月というように、申請の受付時期が制度ごとに分かれていました。
年度によって時期が動く可能性があるため、今年度の日程をそのまま来年度にあてはめないようにしたいです。申請はオンラインで行う形が多く、学校からの案内に沿って進める流れになっています。
この段階ではまだ支援金の申請はできません。
入学後、6月ごろを目安に申請書類が配布されます。
国と都で受付期間が異なるため、両方の日程を控えておきます。
入学前に用意しておきたい費用
ここまで見てきたとおり、支援金は入学後にしか申請できません。入学前の時点で現金として用意しておく費用は、思っている以上に多くなります。
入学金や施設設備費、制服代は支援の対象外です。都内私立高校の入学支度金という、学校が入学費用の一部を無利息で貸し付ける制度もありますが、これは貸付であって支援金とは性格が違います。
制服や教科書は入学が決まってから購入することになり、時期が重なります。早めに金額の見当をつけておくと、慌てずに済みます。
支援額だけで安心してしまう失敗
なんとなく不安になりますよね。実際に、授業料が無償になったと思い込んでいたら、入学後の施設費や教材費の請求書に驚いたという声があります。
報道されている事例では、世帯年収910万円台の家庭が、支援金で授業料が全額まかなえると考えていたところ、施設費など約25万円分は自己負担のままだったというケースがありました。

授業料だけ見て安心すると、あとで慌てることがあります
支援額の数字だけを見て家計の見通しを立てると、実際の負担とずれてしまうことがあります。授業料以外の項目もあわせて確認しておくと、後で焦らなくて済みます。
支援の対象にならない費用の範囲
見落としやすいのが、奨学給付金という別の制度と授業料軽減助成金を混同してしまうことです。名前が似ているので紛らわしいです。
授業料軽減助成金は授業料に充てる支援ですが、奨学給付金は教材費や学用品費など授業料以外の教育費を対象にしています。こちらは所得制限があります。
- 授業料軽減助成金は授業料が対象
- 奨学給付金は教材費などが対象
- 入学支度金は学校による貸付
どの制度がどの費用に対応しているのか、名前だけで判断せずに一つずつ確認しておくと安心です。
年度ごとの制度変更を見落とさない
この制度は毎年同じ内容とは限りません。2026年度は所得制限の撤廃という大きな改正があった年でした。
支給上限額や申請期間、対象となる在留資格の条件などは、年度ごとに見直される可能性があります。去年の情報をそのまま今年にあてはめるのは避けたいところです。
募集要項を見始めた時期の情報は、次の年度には変わっていることもあります。進学を予定している年度の最新情報を、確認するようにしましょう。
東京都や学校の公式窓口の確かめ方
制度の内容は、必ず公式の窓口で確認する必要があります。
国の就学支援金については在学校の事務室、または東京都私学就学支援金センターの就学支援金担当に問い合わせる形になっています。都の授業料軽減助成金と奨学給付金は、同センターの授業料軽減担当が窓口です。
電話での受付時間は平日の9時15分から17時までとなっています。窓口が分かれているので、聞きたい内容によってかけ先を変える必要があります。
| 制度 | 問い合わせ先 |
|---|---|
| 国の就学支援金 | 在学校事務室、就学支援金担当 |
| 都の授業料軽減助成金・奨学給付金 | 授業料軽減担当 |
今日わたしが最初に確かめること
もし今週末、募集要項を広げる時間があるなら、まずは授業料の欄と入学金の欄を分けてメモに書き出してみてください。支援の対象になる部分とならない部分が、それだけで見えやすくなります。
制度は入学後の申請という点さえ押さえておけば、入学直後の家計の動きにも慌てずに構えられます。数字を並べて書き出すだけで、漠然とした不安が少し軽くなるのではないでしょうか。
最新の金額や条件は必ず学校や東京都の窓口で確認しながら、無理のない形で準備を進めてみてくださいね。













